近年では、騒音での近隣トラブルになるケースが多くなっています。
防音対策をしっかりとしたつもりでも、意外と音が周囲に漏れているということがあります。
近所の方と揉めないためにも、そういったトラブルは防ぎたいですよね。
今回の記事では、環境スペースが地上における防音と防音壁の設計について紹介していきます。
設備機器を室外機を地上に置いた場合の以下の方法で比較します。
防音壁の設置の仕方①
防音壁の高さ⇒2.5m
防音壁の設置する面⇒前面の1面のみ
大体の設計者が始めに設計する上記のパターンにおいて、防音壁を設置する場所は室外機の近くで、敷地の境界線と正対している1面だけです。
室外機よりも壁の方が1m程高くなるように設定し、室外機が並んだ両側には置きません。壁の高さは2.5mとします。
この方法は、簡単かつ費用がかからずに設置できるという特徴があります。
しかし、音は直線的に広がるわけではなく、防音壁を乗り越えて地上に回り込むように広がるため、室外機よりも1m高い壁を設置したからと言って、充分な騒音対策ができるわけではありません。
防音壁の設置の仕方②
防音壁の高さ⇒2.5m
防音壁の設置する面⇒3面にして四方を閉じる(上方のみ開いている)
上記の方法に、設置面を3面にして四方を閉じた場合、横からの音漏れは低減されますが、防音対策としては先ほどの物とは殆ど変わりません。
四方を閉じてある場合、唯一開いている上にしか音がでていくことができないため、この場合、防音壁内部などに反射する音が、1面だけを工事した場合よりも大きくなってしまう傾向があります。
音の発生源から直接届く音は小さくなったとしても、それより大きな反射音があるため、反射音を防ぐ方法も考えなければなりません。
防音壁の設置の仕方③
防音壁の高さ⇒4m
防音壁の設置する面⇒3面にして四方を閉じる(上方のみ開いている)
②の方法で、壁を3面とも2.5mから4mまで高くすると、防音効果が一気に高くなります。
直接音、反射音のどちらも高い位置で拡散するため、地上まで音が届きにくくなったからです。
しかし、壁を高くすることで、コストがかかるのと、見た目の悪さが気になってしまうというデメリットがあります。
②、③の方法のように、3面に防音壁を設置する方法で、室外機のスペースを閉じる場合には、防音壁の一部はドアにしないとメンテナンスなどの時に、出入りすることができなくなってしまうので、ドアを作ることで更にコストがかかってしまいます。